温かいものを食べて育毛する

うっかり、料理にまぎれていた辛味の強いトウガラシをかじってしまった……。みなさんは、こんな経験はありませんか?

辛味の強いトウガラシを食べると、口の中は辛さというより痛みを感じます。そんなとき、辛さや痛みを抑えるために、誰しも冷たい水や、ときには氷を口に含みたくなります。

これは、知覚神経は温度が高いほど刺激されやすく、辛さや痛みを抑えるために、口の中を水や氷で冷やしたくなるからです。この事実は、同じ知覚神経刺激作用を持ったものを食べる際に、温かい状態で食ぺるほうが発毛効果が認められているIGF-1をふやすうえでは効果的であることを意味します。

たとえば、玄米を食べるとき、熱い玄米粥として食べるほうがIGF-1をふやす効果が高くなります。

お粥は昔から健康によいといわれています。また、病気になった人のためにお粥を食べさせることも古くから行われています。

これは、お粥がやわらかくて消化がよく、病人の胃腸に負担をかけないからと考えられていますが、それだけではありません。実は、お粥の「熱さ」に秘密が隠されていたのです。

温かい食べ物は、冷たいものよりも胃で知覚神経を刺激しやすく、IGF-1をふやす効果がより高くなります。だからこそ、あっあつのお粥を食べることで、病気の回復も早まると考えられるのです。

粥有十利という言葉は、曹洞宗の宗祖である道元禅師がお粥にある十の効能を示したものです。この十の効能は、要約すれば、顔色がよくなる、気力が増す、長生きとなる、食べすぎず体が軽くなる、言葉がはっきりしてくる、胃の調子がよくなる、風邪をひきにくくなる、満腹感が得られる、のどの渇きもよくなる、そして便通がよくなるということなります。

鎌倉時代は玄米食だったので、この言葉の中の粥は玄米粥を指すのでしょう。熱いものを食べて、胃腸の知覚神経が刺激されてIGF-1が増加すると、満腹感が早く出て、食欲が落ちることが知られています。

これは、体に熱いものが入ってきたことを知覚神経が察知し、胃腸が熱による障害を受けることを避けるために、食物の摂取をストップさせるという防御反応です。このように、やけどをするほどではない熱などのプチストレスを与えて、体から防御反応や治癒反応を引き出すことを「ホルミシス」といいます。

ホルミシスの作用は、熱刺激に対するIGF‐1増加を介した治癒力の発動といえます。

熱いお粥を食べることは、ホルミシスを発動させるプチストレスに相当します。IGF‐1は熱産生を起こさせるタンパク質を体内でふやすので、お粥を食べると体が温まります。

さらにIGF‐Iは、ウイルスやがん細胞と戦うリンパ球の一種をふやし、免疫力を高めてくれます。これらのことから考えると、病気のときにお粥を食べることには、早い満腹感による消化管の負担の軽減のみならず、ホルミシスを利用したIGF‐1による治癒力増強効果も期待できることになります。

しかも、玄米粥にはホルミシス効果に加えて、玄米の胚芽成分によるIGF‐1増加効果も期待できるので、まさに、病気の治療には最適な食事といえます。

知覚神経刺激作用を持つ食べ物を温めると、IGF‐1はさらにふえます。したがって、カプサイシンとイソフラボンをとる場合、キムチ彑旦腐の鍋料理であるキムチチゲなどがおすすめです。そこに、IGF‐1をふやす食材(牡蠣など)を加えれば、さらに発毛と健康効果は高まるでしょう。

さて、温かいものを食べるとIGF‐1がふえやすいということは、逆に考えれば、冷たいものを食べるとIGF‐1はふえにくくなるということになります。

事実、昔から、冷たいものを食べすぎると髪の毛が抜けるといわれていました。理論的にも胃腸を冷やすとIGF‐1がふえにくくなり、育毛も阻害されます。

それ以外にも、夏場に冷たく甘い清涼飲料水を飲みすぎると疲労感が増し、脱水症状も手伝って、夏バテ状態になります。砂糖が多く含まれている清涼飲料水は、砂糖そのものが胃腸の知覚神経刺激を抑制し、ますますIGF‐1はふえにくくなります。しかし、冷たいビールは、例外的にOKです。

この理由として、ビールに含まれているホップ、炭酸、低濃度のアルコールには知覚神経刺激作用があるからなのです。

まとめると、玄米で熱いお粥を作って食べる習慣は、粥有十利に育毛効果が加わり、粥有十一利が期待できるでしょう。

髪の毛が欲しければ温かいものを食べるようにしましょう。