発酵食品が育毛に効く

発酵と腐敗。無関係な言葉のようですが、簡単にいえば、微生物が人の健康や嗜好によい影響を与えるのが発酵で、反対に健康を害したり、味を悪くしたりするのが腐敗です。

発酵を引き起こす代表的な微生物は、乳酸菌です。乳酸菌は乳糖やタンパク質を分解して、乳酸などの有機酸、アミノ酸、ビタミン、アミンなどを作ります。

乳酸菌が作る乳酸などは、腐敗を起こす微生物の増殖を抑制します。もちろん、発酵食品や乳酸菌を食べれば、人間の腸内でも健康に害を与える微生物の増殖を抑制します。

たとえば乳酸菌は、胃の中で胃潰瘍や胃がんの原因となるピロリ菌の増殖を抑制しますが、これも発酵の効果のひとつです。そのほかの効果としては、便秘、高脂血症、高血圧などの改善、免疫力の増強などがよく知られています。

検証すると、これらは発毛効果が期待できるIGF‐1の効果とよく似ています。これまで、発酵食品の健康幼米のメカニズムは十分にはわかっていませんでした。しかし、これまでの研究成果から、発酵食品中の有機酸では乳酸、クエン酸など、アミノ酸ではグルタミン酸、グリシンなど、またアミン類ではスペルミン、スペルミシン、およびプトレッシンなど、そしてビタミンではビタミンB1などは、知覚神経を刺激してIGF‐1をふやすことが判明し、発酵食品の健康効果は、IGF‐1によるものだとわかってきました。

これらを考え合わせると、IGF‐1をふやすためにトウガラシ(カプサイシン)を摂取する場合、トウガラシよりも、トウガラシの発酵食品であるキムチのほうが効果的ということになります。なぜなら、キムチには、本来のカプサイシンによるIGF‐1増加効果に加え、発酵によるIGF‐1増加効果も期待できるからです。

大豆由来の食品でも、発酵を加えると健康効果はさらに高まります。納豆は、大豆を納豆菌で発酵させたものです。イソフラボンに加え、発酵によってできたIGF‐1をふやす多くの成分を含んでいます。その納豆にキムチを加えたキムチ納豆などは、IGF‐1を増加させる、食品のすばらしいマリアージュといえます。

また、味噌も発酵食品ですが、愛知県三河地方で伝統的に作られている八丁味噌は特におすすめです。八丁味噌は発酵させたあと、樽の中で2~3年熟成させます。その長い熟成期間を経ることにより、通常の味噌よりもIGF‐1をふやす成分が多くなっているのです。

イソフラボンには、糖が結合した配糖体と呼ばれるものと、糖が結合していないアグリコン型と呼ばれるものがあります。配糖体型のイソフラボンは、知覚神経刺激作用はなく、CGRPをふやす作用のみを持っています。いっぽう、アグリコン型は、カプサイシン同様、知覚神経刺激作用を持っています。

八丁味噌は熟成期間が長いので発酵が進み、配糖体型のイソフラボンの糖が切られて、アグリコン型がふえてきます。愛知県岡崎市で作られる。まるや八丁味噌々には、通常の豆味噌の1.2倍のアグリコン型イソフラボンが含まれており、より高いIGF‐1増加作用が期待できます。

このほか、発酵食品にはチーズ、ヨーグルト、そして酒などがあります。たとえば、ヨーグルトを食べると、乳酸菌そのものが胃腸に作用し、腸内発酵が促進されます。発酵でできた成分は、体内でIGF‐1をふやし、血圧の正常化や、免疫力の向上に加え、育毛効果も高めます。

発酵食品は健康だけではなくて発毛・育毛にも大きな効果があるのです。